土塗り壁の作り方
竹小舞を編む
以下の土塗り壁の施工については、香川県西部で一般的におこなわれている一例です。
土・竹など地域にある材料で作られてきた土塗り壁は、各地域ごとに材料や施工方法は多様ですが、ここで示す主な手順は全国で大きな差異が無いと私たちは考えています。

(1)

(2)

(3)
土を塗る下地を竹と藁で編みます。
構造体(柱・梁、貫、差し鴨居)に穴を開け、間渡し竹(丸竹)を差し込みます。 <写真(1)>
表面(完成時の室内側)から、割り竹を横に編みつけます。丸竹や割り竹の幅にもよりますが、3尺幅の壁で間渡し竹(丸竹)を3本、割竹は1本ー5〜7本ー5〜7本ー1本の間隔が一般的です。<左写真・写真(2)>
裏側から、間渡し竹に沿って、縦に割り竹を編みます<写真(3)・下図;竹木舞断面>


(1)

(2)
木舞の表側から粘土と砂と藁スサを混ぜた壁土を塗ります。<写真(1)>
<写真(2)は荒壁塗りの壁土>

(3)
塗り終わると、土が竹小舞の隙間に噛み込み、はみ出ています。これが裏返し塗りの厚さを超えないよう平らにならします。<写真(3)>

(4)
乾燥すると土が縮み、均質な割れが生じます。<左下写真・写真(4)…荒壁塗り後10日経過>
裏側から壁土を塗ります。荒壁塗りの土と同じ土もしくは、少し藁スサを加えることもあります。

(1)
香川県では、壁塗り土を「ベタ」「ドロ」と職人は呼んでいます。
総じて、壁塗り土を作る業者は「ベタコン屋」などと呼ばれ、一般建材を扱う業者が兼業していることも多いようです。香川県西部では、10社に満たない「ベタコン屋」があります。

香川県西部の観音寺市内の壁土製造業2社の例を紹介しますが、あくまでも一例だと考えています。例えば、できあがった土を寝かせる時間も、様々です。今までの習慣でこなしてきた行程も、製造コスト・効率などを鑑み、変えている業者もあります。
「ベタコン」の細かな行程より、製法をおおまかにご理解いただければ、誤解がないと思います。

粘土は県内から採取したもの
花崗土
まず、粘土と花崗土を混ぜる。左写真の機械に粘土・土をブルドーザーで入れる。
配合の目安は、おおむね荒壁土は粘土6対花崗土4、大直し用の土で粘土4対花崗土6。壁用の土は藁スサを混入するが、屋根瓦下地は藁スサを入れない。
混ぜた土は、固まりがあるので、圧力をかけて平らに押さえる。左が混ぜる機械。ベルトコンベアで運び、手前の水と混ぜる行程へ。石がある場合はこの時に出す。
土を入れ、水と混ぜる。
土を入れ上から水を入れる(右写真)が、水の量の調整は確認しながら、手動でおこなう。
混ぜ合わせた泥が中央部分に練られて出てくる。正面のサイロから切った藁(藁スサ)を上から落とし、ベタの完成。(藁スサを入れる場合)
藁スサ
藁を切る。
藁は乾燥した地元産と、畳床の再利用。農協を通じて調達しているが、最近は手に入りにくいとのこと。
土と水を混ぜる機械。前にあるサイロから藁スサを落とし、混ぜる。藁スサがよく詰まるそう。
出来た土を溜めておく。壁土を何度か練るために、ブルドーザーのパケットの幅に、傾斜をつけている。

2,3日から1週間以内寝かせて、現場へ。